1次元非対称単純排他過程 : その数理構造と物理的意義(基研研究会 確率モデルの統計力学,研究会報告)
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概要
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1次元非対称単純排他過程(以下ASEP)は,体積排除の相互作用の下で多数の粒子が1次元格子上を非対称なホッピングをするというだけの単純なモデルである.もともとmRNA上のリボゾームの運動のモデルとして考えられたのが最初と考えられているが,その後平衡から遠く離れた非平衡統計力学の簡単な模型として再発見された.かなり早い時期からASEPには厳密解が得られることが認識されていたが,q-直交多項式やランダム行列との関係のような深い数理構造が明らかにされて来たのはここ数年の事である.一方でASEPは,その単純さゆえに種々の応用が考えられてきた.講演ではASEPの理解に関する現状について概観し,今後の発展に関する展望を試みたい.
- 物性研究刊行会の論文
- 2004-05-20
著者
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