日本語教師養成課程における教師の「日本語教師観」が学生に与える影響 : アクション・リサーチ報告(課題探求型AR)
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概要
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本稿では、日本語教師養成課程における、日本語教師の教育観(ビリーフス)が学生に与える影響について分析をした。このコースでは、教師と学生が、その日の授業の内容について、毎週Eメールで感想の交換を行った。Eメールの文章を分析し、その学期における教師と学生の教育観の変化を調べた。学期のはじめの段階では、学生の教育観は「日本語教師の仕事は、日本語を教えることです」という限定的なものであった。しかし、学期の終わりになると、コースデザインに関する感想や日本語学習者に対する配慮も含まれるようになり、学生の感想は多様化した。教師の教育観も、「学習者に多くの情報を教えよう」というものから、「学習者の能力を引き出そう」というものに変化した。学生とのEメールの交換によって、教師は、学生が講義内容を内省し、興味や疑問を学生達自身で深めていることを感じた。この学生の内省力に対する気づきが、教師の授業に対する態度も変化させていたことがわかった。このアクション・リサーチの結果から、教師が学生に一方的に影響を与えるのではなく、学生と教師がお互いに影響を与え合いながら、共に授業を作り上げていくことがわかった。
- 2006-11-20
著者
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