阪僑・佐治敬三の新興財閥形成過程にみる同族企業繁栄の条件
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概要
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研究者の道を歩む予定であった佐治敬三は、実兄の急死により洋酒の寿屋(後のサントリー)の後継者となった。後継者に就任すると学究肌の性格も一変させ、社名を「サントリー」に変更し、苦難の事業であるビール事業を手がけるのである。これは、当初道楽事業と揶揄されたが、実は自らが描いた新しいタイプの財閥を形成するための序章であった。また、同族大企業のトップであった佐治の戦略をみると、同族企業が長期的に繁栄する条件が浮かび上がってきた。それは、一族の経営トップ間の分担方法、健全なる赤字事業の推進姿勢、人々の生活文化への貢献などである。
- 2007-03-31