2004/05シーズンのA型インフルエンザ感染症に対する漢方薬による予防効果
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概要
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2004/05シーズンのA型インフルエンザ感染症の障害児・者施設における流行状況を把握し,漢方薬による予防効果について後方視的に検討した。全国のサーベイランスの結果から,このシーズンはB型の流行と例年より遅くまで流行したA型がワクチン株と抗原性が異なっていたため,ワクチンなど通常の予防対策では有効でなかったと推測された。全員,インフルエンザワクチン接種にも関わらず,2005年3月末から5月末の約2カ月間に,施設利用者の47.8%(43/90),職員22,7%(25/110)が罹患した。漢方薬内服の有無では罹患率の差はなかった。しかし漢方薬内服者のうち,補剤と非補剤を比較すると罹患率に有意差(p<0.05)が見られた。補剤の十全大補湯を内服していた8例では2例のみの罹患であった。日常の健康管理上,補剤の投与が障害児・者の集団感染予防に役立つ可能性が示唆された。補剤と免疫賦活機能についても若干の考察を加えた。
- 社団法人日本東洋医学会の論文
- 2007-09-20
著者
-
平岩 久幸
東部島根医療福祉センター小児科
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平岩 里佳
東部島根医療福祉センター小児科
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伊達 伸也
東部島根医療福祉センター整形外科・リハビリテーション科
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太田 庸子
東部島根医療福祉センター内科
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金津 幸子
東部島根医療福祉センター内科
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廣瀬 方志
東部島根医療福祉センター整形外科・リハビリテーション科
-
廣瀬 方志
東部島根医療福祉センター診療部
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