韓国のサラブレッド雌馬における胚の早期死滅に関与する要因(臨床繁殖学)
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概要
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雌馬における胚の早期死滅の実態を明らかにするため韓国の済州島の9牧場に飼育されているサラプレッッド雌馬について2001年から2003年までの間に合計384頭を調べた.これら384頭の雌馬について合計771回の交配が行われ,排卵後15日の時点において妊娠していたものは376頭であった.しかし,排卵後45日までにそれらの12.2%(46/376)においで胚の早期死滅が認められた.また,胚死滅を示した46例の3/4において胚の早期死滅は排卵後16日から同25日の間に起った.胚死滅の発生率は前繁殖シーズンに不妊(17.2%),15歳以上(15.4%)および10産以上(18.2%)であったものがその他のグループ(9.1〜16.9%)に比べて最も高かった.交配が3月(19.6%)と4月(17.2%)および分娩後の初回発情時(24.6%)に行われたものにおいてかなり高い胚死滅率がみられた.さらに,子宮に異常な貯留液や嚢胞(18.0%)がみられたものおよび多胎嚢(23.1%)のものでは健常な子宮状態(9.8%)や単胎嚢(10.5%)のものに比べでかなり高い胚死滅率であった.以上のように,雌馬の繁殖状況および胚や胎子環境などの状態は胚の早期死滅の発生に関与する大きな要因であることが判った.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2007-08-25
著者
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CHO Gil-Jae
College of Veterinary Medicine, Kyungpook National University
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Cho Gil‐jae
Kyungpook National Univ. Daegu
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YANG Young-Jin
Equine Hospital, Korea Racing Association
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Yang Young-jin
Equine Hospital Korea Racing Association
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Cho Gil-jae
College Of Veterinary Medicine Kyungpook National University
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