ガングリオシドGM3と2型糖尿病
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概要
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細胞膜マイクロドメイン(lipid raft)は,多様なインスリンシグナル伝達の適正な仕分けに重要な役割を果たしており,特に2型糖尿病とインスリン抵抗性の病態における役割が注目されている.炎症性サイトカインTNFαはインスリン抵抗性を誘導するが,その発現機構は十分には解明されていない.5年前に我々は,TNFαで刺激した脂肪細胞や典型的な肥満糖尿病モデル動物の脂肪組織では,ガングリオシドGM3およびその合成酵素遺伝子の発現が著しく増加している事を見いだした.その後の様々な検討の中で,インスリン代謝性シグナルの欠損はGM3の過剰蓄積によるインスリン受容体のマイクロドメインからの解離によるものであることが判りつつある.我々の発見は,2型糖尿病などの生活習慣病の新たな病態像の解明に繋がるものと期待している.
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