子ども同士の言語的コミュニケーションにおける一考察 : 会話の自然発生的過程の検討
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概要
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本論は、就学前までの幼児がいかに同輩間の会話を成立し発展させていくかを研究の主眼とし、山本(2003)の先行研究で取り扱ったデータをもとに量的分析、質的分析を行い再検討するものである。子ども同士の会話を分析するにあたり、保育所在籍幼児(2歳-6歳)計52名のうち幼児ペアを30組抽出し、ある観察場面において対座した2児の会話内容を記録し、その転記内容に基づいて会話分析を行った。量的分析にあたって、子どもの発話内容を(1)会話成立に至らないまでも相互作用に向かう過程にある発話である「準相互作用的発話」、(2)相互交流を行う意図がみられる発話である「相互作用的発話」の二種類に分類し統計処理を行った。その結果、4歳以降に何らかの相互作用的な言語活動が為されることが示唆された。質的分析では、幼児間の会話が発生する2歳から4歳までを対象として分析した結果、両者が眼前の事物を介さずに同一のイメージを共有することができ、同一経験をしていない相手に対しても会話が成立し始めるのは、4歳後半児同士のペアであった。
- 2007-03-05
著者
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