イヌ涙腺組織における炭酸脱水酵素アイソザイム(CA-VI)の発現について
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概要
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角膜や結膜を覆う涙液の分泌母地である犬涙腺組織を対象に,分泌型炭酸脱水酵素アイソザイムCarbonic Anhydrase-VI(CA-VI)の蛋白質発現を免疫組織化学的手法を用い,ならびに遺伝子発現をRT-PCR法を用いて検討した。その結果,免疫組織化学染色では腺房を構成する腺房細胞の一部に免疫陽性反応を認めたが,導管上皮細胞には認めなかった。RT-PCR法ではイヌCA-VIと考えられる441bpの大きさの増幅産物を認めた。犬の角膜上皮にはCAの酵素活性があることが報告されており,本実験から犬の角膜上皮に存在するCAに加え,涙腺組織から分泌されているCA-VIが,眼球周囲の局所的な環境における酸塩基平衡に関与していると考えられる。