Gleason分類および組織内DHT levelによる前立腺癌の予後に関する検討

概要

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1981年11月から1987年5月までに当教室で経験した70例の未治療前立腺癌についてGleason分類を行ない予後との関係を検討した.うち47例では組織内DHT levelを測定し,組織像と予後との関係を検討した.平均年齢は73.8歳,経過観察期間は1〜65カ月(平均23.0カ月)であり,16例が経過観察期間中に死亡した.primary patternは3が50%を占め,ついで4,2が多かった.Gleason's scoreを2〜5,6〜7,8〜10の3群に分けると,6〜7が31例(44.3%)と最も多く,ついで2〜5が21例,8〜10が18例の順であった.patternおよびscore digitの増加と共に,high stage症例が増加し,score 8〜10では83.3%がstageDであった.死亡率とprimary pattern,Gleason's score,Gleason's modified categoryとの関係をみると,pattern digit,score digit,category digitの増加と共に段階的に死亡率も上昇した.同一のscoreおよびmodified categoryの症例をDHT level 2ng/gtw以上(高値例),2ng/gtw未満(低値例)に分けて死亡率をみると,後者において死亡率は高率であった.内分泌療法にたいするinitial responceおよび予後と組織内DHT levelとの関係をみると,DHT高値例では57%がpartial objective regression(以下PR)となったが,低値例では21.4%にすぎず,またobjectively stable(以下OS)症例ではDHT低値例の場合には,その後progressive disease(以下PD)となるものが高率(60%)にみられた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1988-07-20

Gleason分類および組織内DHT levelによる前立腺癌の予後に関する検討

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