Scattering mediumを用いたwhole bladder wall photodynamic therapyの実験的研究

概要

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イントラリポスのレーザー光散乱効果についてガラス球形膀胱モデルおよびargon-dye laserを用いて検討した.各種濃度イントラリポス200mlを膀胱モデル内に充満し400μmの石英ファイバー先端光強度を500mWに設定した.その結果,0.5%濃度において単位面積当たり光強度0.77±0.07 mW/cm^2の最も均一なレーザー光散乱効果が得られた.ヘマトポルフィリン誘導体投与後48時間後における家兎移植腫瘍V_x2 carcinoma組織の凍結切片での蛍光強度は正常膀胱壁のそれに比較し約20%高い値を示した.ついでV_x2 carcinoma移植家兎膀胱を用い,ヘマトポルフィリン誘導体投与後48時間後にwhole bladder wall photodynamic therapy (PTD)を行った.用いた光エネルギー量は100 Joules/cm^2であり,その結果明らかな腫瘍細胞の壊死性変化および核の大小不同が認められた.以上より0.5%濃度イントラリポスを用いたwhole bladder wall PTDの有用性が認められた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1988-05-20