当科における魚骨異物症例の検討
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概要
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咽頭異物で当科外来を受診した211例について検討し,そのうち異物摘出のために頸部外切開を施行した2症例を提示した。症例1は,上部消化管内視鏡検査で上部食道に魚骨を確認したものの観察中に消失し,胃内に落下したと判断して検査を終了した。その後嚥下時痛が持続するため頸部単純CTで精査したところ,甲状腺に刺入した魚骨を疑わせる高吸収域を認め,頸部外切開で摘出した。症例2は魚摂取後に咽頭痛が出現したが,魚骨は認めなかった。その後咽頭痛は消失したが,1ヶ月後に咽頭痛と呼吸困難が出現した。頸部単純CTで舌根部に魚骨を疑わせる高吸収域を認め頸部外切開による摘出を試みた。2年間で当院外来を受診した咽頭異物患者211例のうち95%が魚骨異物患者であった。無症状期間を認めたのは7%で,外切開での摘出は2例に行った。特殊検査では頸部単純CTが有用であり,当院でも10%の症例に施行した。魚骨異物が疑われる場合には早めに頸部単純CTで的確な診断を行うことや,疼痛が消失しても1ヶ月程は患者に注意をうながす必要があると思われた。
- 長崎大学の論文
著者
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山口 仁平
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学講座耳鼻咽喉・頭頚部外科学分野
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山口 仁平
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学講座 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
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山口 仁平
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
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