地域にねざした障害児教育の制度をどう展望するか:「山口県特別支援教育ビジョン」を問う〈特集:インクルーシブ教育と共同の原理〉
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概要
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山口県では、国の特別支援教育への転換に呼応して、「山口県特別支援教育ビジョン」を策定し、その実行計画にそって具体化が進められている。障害児学校の在り方にかかわっては、全体として既存の人的・物的資源に依存し、中教審答申の枠組みを踏まえたものとなっている。しかし、実行計画はそれにとどまらず、ノーマライゼーションをキーワードにして、盲・聾・養護学校のすべてを5障害に対応する特別支援学校にすること、7つに設定した支援地域に特別支援教育センターを設置した拠点校をおくこと、それを補完するために、小・中学校にサブセンターを設置すること、盲・聾・養護学校の希望する児童生徒に居住地校への副次的な籍を置くこと等、踏み込んだ提起をしている。こうした提起が、山口県の実態の中でどのような役割を果たすのか、あるいはどうすれば意義あるものになるのか、これまで検討してきた論点を報告する。
- 全国障害者問題研究会の論文