狭母音の無声化の全国的地域差と世代差
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
全国の母音の無声化生起にかかわる要因を探るため,1986〜1989年にかけて収集された音声資料「全国高校録音調査」の41府県の話者,老若608名の音声の音響分析を行なった。無声化生起と音環境,及び地域差との関係,世代差との関係について調べた。その結果,従来無声化が目立つとされる地域の無声化生起率はおよそ60%以上であること,ほとんどの府県において後続する子音の種類(破裂音,摩擦音,破擦音),無声化拍の後続拍の母音の種類(狭母音,非狭母音)により無声化生起率に有意差があることがわかった。また無声化の生起には地域差に加え,世代差があり,東北地方において特に世代差が著しいことが確認された。これらは語中の無声化について得られた結果であり,語末では地域にかかわらず全体として無声化生起率が非常に低く,一般的な無声化の生起環境でないことが明らかになった。
- 日本語学会の論文
- 2007-01-01
著者
関連論文
- 近畿方言話者の狭母音の無声化(口頭発表,日本語学会2009年度秋季大会研究発表会発表要旨)
- 4地域における狭母音の無声化生起率の動向 : 秋田,東京,兵庫,熊本の調査結果から(口頭発表・午後の部,日本語学会2007年度秋季大会研究発表会発表要旨)
- 狭母音の無声化の全国的地域差と世代差
- 全国の母音の無声化生起にかかわる言語学的要因と社会言語学的要因(口頭発表・午後の部,日本語学会2005年度秋季大会研究発表会発表要旨)
- 日本在住の韓国人日本語学習者における母音の無声化
- 5地域に見る無声化生起率の年齢的変化
- 京阪神における狭母音の無声化
- A4. 韓国人日本語学習者における日本語の母音の無声化時の喉頭調節(研究発表,第18回全国大会発表要旨)
- 韓国在住の韓国人日本語学習者における韓国語と日本語の母音の無声化
- 韓国在住の韓国人日本語学習者における韓国語と日本語の母音の無声化(第307回研究例会発表要旨)
- C10. 韓国語における母音の無声化(第16回全国大会発表要旨)