韓国の高校生における抑うつ脆弱要因としての同一性混乱
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概要
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抑うつ症状を生み出すのは,外界のネガティブな出来事ではなく,物事に対する否定的認知にある。この前提に基づいて,自己概念そのものが形成の過程にある青年期では,同一性混乱により自己に対する否定的認知が強まり,それが抑うつを生じさせると仮定して,543名の韓国の男女高校生を対象に質問紙調査を行った。共分散構造分析による結果から,抑うつが青年期に多く発生するのは,同一性確立という青年期の課題が解決されないことに起因することが分かった。同一性の混乱が否定的自己認知と肯定的自己認知に影響を及ぼし,最終的に否定的自己認知により抑うつが生じることが示され,同一性混乱が抑うつの脆弱要因であることが示唆された。
- 2007-01-31
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