バイオリアクターによる冷水病菌Flavobacterium psychrophilumの生物防除(バイオコントロール)
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概要
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本研究は,付着担体(基盤)ゼオライトと,冷水病菌の増殖を抑制する拮抗細菌LMC9株とでバイオリアクター装置を作製して,装置による冷水病原因菌(Flavobacterium psychrophilum)の増殖抑制効果を研究することを目的とした。まず,予備試験として付着基盤上での拮抗細菌LMC9株とF.psychrophilumとの相互作用を明らかにするために,滅菌スライドグラス上に拮抗細菌LMC9株およびF.psychrophilumを付着させて,ガラス上の菌相の遷移を追跡した。その結果,F.psychrophilum培養液(1.0×10^9 CFU ml^<-1>)に浸したスライドグラスを1.0×10^7 CFU ml^<-1>以上の濃度の拮抗細菌LMC9株培養液へ浸漬した場合,スライドグラスへ付着していたF.psychrophilumは大幅に減少した。次に,付着担体(基盤)ゼオライトと拮抗細菌LMC9株とで作製したバイオリアクター中に滅菌河川水(蛋白質濃度約19μg-γ-globulin ml^<-1>)や,F.psychrophilum培養液などを1 L d^<-1>の速度で流入し,バイオリアクターからの流出液中の菌相を調べた。滅菌河川水を流入したバイオリアクターでは,15日経過後においても,バイオリアクター流出液中に1.5×10^5 CFU ml^<-1>の拮抗細菌LMC9株が確認された。また,1.0×10^4 CFU ml^<-1>のF.psychrophilum培養液を流入したバイオリアクターの流出液中では,F.psychrophilumは14日間ほぼ検出されなかった。一方,PCR法によっZは,この流出液中よりF.psychrophilumのDNAが検出されたので,バイオリアクターの作用によって病原菌の増殖能が,寒天培地上では増殖できない程度に低下したと考察した。
- 日本海洋学会の論文
- 2007-07-05
著者
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