海産微生物の拮抗作用と魚介類飼育への利用
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概要
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生物学的防除(生物防除)は,自然界で恒常的に進行している生物間の拮抗作用を利用して,天敵生物によって有古生物を抑制・排除する方法であり,1970年代当初に農業領域において,病害昆虫を微生物によって殺減する手法として実用化された。水産養殖において生物防除に使用される生物(生物防除製剤)の開発は,1980年代末頃から行われ,エビ,カニの種苗生産において病原菌の増殖を抑制し,同時に種苗の成長促進効果をあらわす微生物が発見され,実用化された。その後の約15年間に,水産養殖において同じような微生物の探索と応用例が数10編の論文で報告されたが,このような研究の進展の背景には,過剰な薬剤使用に対する消費者の危惧感とともに,薬剤の効力が低減し,疾病防除が難しくなっている状況がある。本稿では,魚介類の飼育水および消化管中において,有用徹生物の拮抗作用を利用して病原微生物(病原細菌,ウイルス等)を防除した研究結果を概観するとともに,これらの成果の背景となった研究例についても紹介する。
- 2005-01-05
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