脳血管攣縮の予防のためのnicardipine持続脳槽灌流療法の効果と灌流液のdeliveryを考慮した手術における工夫
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概要
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雑誌掲載版クモ膜下出血で発症した破裂脳動脈瘤16例に対し直達手術後、nicardipine持続脳槽灌流療法を行い、脳血管攣縮における有用性について検討した。その結果、1)血管撮影上、軽度の血管攣縮が5例(31%)に認められたが、症候性攣縮例はみられなかった。2)主幹動脈の拡張率はそれぞれC1;115±19%、M1;113±23%、A1;117±26%であった。3)発症3ヵ月後の予後は、mRSでgrade 0が9例(56%)、grade 1が2例(13%)、grade 2が1例(6%)、grade 3が3例(19%)、grade 4が0%、grade 5が1例(6%)、grade 6が0%であった。以上、これらのことからも、nicardipine持続脳槽灌流療法はくも膜下出血後の脳血管攣縮の予防として有効な治療法になりうる可能性が示唆された。
- 日本脳卒中の外科学会の論文
- 2007-05-31
著者
-
杉山 拓
北海道大学医学研究科神経外科
-
遠山 義浩
市立小樽第二病院脳神経外科
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杉山 拓
市立小樽第二病院 脳神経外科
-
伊東 雅基
市立小樽第二病院 脳神経外科
-
村井 宏
市立小樽第二病院 脳神経外科
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馬渕 正二
市立小樽第二病院 脳神経外科
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遠山 義浩
市立小樽第二病院 脳神経外科:医療法人社団北匠会 札幌北脳神経外科
-
伊東 雅基
柏葉脳神経外科病院 脳神経外科
-
伊東 雅基
北海道大学大学院医学研究科 脳神経外科
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杉山 拓
北海道大学大学院医学研究科 脳神経外科
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