初期病院社会事業の実践 : 泉橋慈善病院 病人相談所について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本における草創期の病院社会事業の全体像を把握するために,日本で最も初期に病院社会事業を導入した泉橋慈善病院を取り上げ,病院社会事業を導入した背景と実践の内容,実践が継続していく要因について検討を行った.本病院の病院社会事業は当時の日本における専門社会事業の影響を受けつつ,欧米の新知識や活動を取り入れ,素朴な形ながらケースワーク活動がみられた.病人相談所は病院を幇助する団体である賛助婦人会のなかに組織され,病院運営の中核をなす院長や事務長の支援の下,相談員は専門職としての評価を受けて有給で雇用されていた.相談内容は多岐にわたり,患者とその家族の病から生じる困りごとについて,相談員自身のもつ「技能」と「私的なネットワーク」も含めてあらゆる社会資源を導入して問題解決にあたった.その際の問題解決の主体は相談員であった.相談員の機能として「仲介機能」「相談援助機能」「代行機能」がみられた.
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2007-05-31
著者
関連論文
- 患者を支える医療と福祉に関連する実践者--方面委員の活動
- 初期病院社会事業の実践 : 泉橋慈善病院 病人相談所について
- 小児専門病院におけるボランティアの認識に及ぼす要因--小児医療におけるボランティア活動の実態と課題から