低温条件下で樹木が受ける光ストレスとその防御機能(<特集>樹木の環境適応とストレスフィジオロジー)
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概要
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光阻害は,過剰な光の吸収によって引き起こされる光合成能力の低下とその防御過程で起こる電子伝達効率の低下の両者を含んでいる。低温条件下では,光合成速度が低下するため,過剰な光エネルギーを吸収し,光阻害が発生する危険性が増加する。越冬性の常緑樹木は冬期にも強い光にさらされるため,光阻害を受けやすいが,光阻害を回避するさまざまな仕組みを保持している。本稿では,光阻害の分子機構とその防御反応について概説するとともに,冬期の低温下で野外に生育する常緑樹が示す光防御反応のうち,キサントフィルサイクルによる熱放散,water-waterサイクルによる活性酸素の消去およびロドキサンチンやアントシアニンなどの色素の蓄積による強光緩和に焦点を当て,その生態生理学的意義にっいて考察する。
- 2004-02-16
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