ヒノキ採種園と次代検定林の雄花着花状況から推定した遺伝率と育種効果
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概要
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ヒノキ花粉症の対策として,雄花着花性の低いヒノキの選抜育種の可能性を検討した。雄花着花状況の調査は採種園で1998〜2002年の5年間,またこの採種園産の家系が植栽された次代検定林で2000年と2002年に行った。この結果,クローン間差,家系間差が認められた。広義の遺伝率は31.3〜43.7%で,豊作年の方が雄花着花の遺伝的な発現が高かった。狭義の遺伝率は,分散分析から推定した値は12.7〜43.4%だったが,片親に対する子供の回帰から推定した値は,親が凶作年だった場合を除くと57.3〜100%と大きかった。したがって,雄花着花性の低減を目的とする,集団選抜によるヒノキ花粉低減の育種効果は,大きいことが期待できると考えられた。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 2003-08-16
著者
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