スギのクローンの列状植栽試験地における広義の遺伝率に及ぼす個体間競争の影響
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概要
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個体間競争は, 分散分析に基づき推定される広義の遺伝率を過大評価する原因となっている。そこで, 明石らが開発した「反復のない系統別列状植栽のデータから遺伝率を求める方法」を改良し, 個体間競争の影響を軽減, 除去できる方法を示した。この改良点は, 遺伝率の推定に用いるクローン間個体共分散を, 隣接個体間ではなく先隣り個体間の共分散から求めたことである。この方法により, スギのクローン次代検定林の胸高直径における広義の遺伝率を推定したところ, 個体間競争の影響を軽減, 除去できた。分散分析で推定した値との比較から, 個体間競争の影響を除去できた場合, 分散分析による広義の遺伝率の推定値の1〜2割の部分が個体間競争の影響で過大となっていることを明らかにした。また本方法は個体間競争の影響を軽減, 除去できない場合があるので, 適用にあたっては, 事前に先隣り個体間の相関係数から, 本方法の有効性を確認する必要がある。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1999-11-16
著者
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