気道ステントの外科治療への応用(<ミニ特集>「気道ステントをめぐる諸問題-pros and cons」)
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概要
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気道ステントは本来狭窄部を拡大し,内腔を保持するのが目的である.さらに使用法を工夫すれば日常の外科治療にも応用可能となる.気道再建への応用としては,甲状腺癌気管浸潤例で広範囲気道切除が必要な場合に,手術侵襲やリスク軽減のために管状切除を避け,内ステントを用いることでパッチ補填での再建が可能となる.これにより通院で気道瘢痕化を待つことができる.食道癌,肺癌の気道浸潤例ではステントにより気道狭窄による呼吸困難,気管食道瘻による食事摂取困難を改善することで,その後の放射線治療や化学治療が可能となる.これらの治療が可能であった症例ではQOLが維持されつつ,3ヶ月以上の延命効果が得られている.Y字シリコンステントの片側を閉鎖加工することで,腫瘍が主気管支内から気管内へと進展するのを抑制して健常肺の気道を保持したり,また肺全摘後の気管支断端瘻に対しては気瘻を減少させて肉芽増殖を促すことができる.気道の壁外からの圧排や腫瘍浸潤による狭窄に対して過度なく気道を拡張,維持させるためにミリメートル単位でステント径を選択する必要がある.気管支鏡下超音波診断は気管壁の構造や気道周囲の状況を観察できるのみでなく,気道の拡張した状態での内径を測定でき,ステントの肉芽形成や穿孔,脱落を防ぐためにも必須である.(気管支学. 2007;29:30-37)
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 2007-01-25
著者
-
奥村 浩
鹿児島大学腫瘍制御・消化器外科
-
夏越 祥次
鹿児島大学腫瘍制御・消化器外科
-
松本 正隆
鹿児島大学大学院腫瘍制御学・消化器外科学
-
柳 正和
鹿児島大学第一外科
-
青木 雅也
鹿児島大学腫瘍制御学
-
大塚 綱志
鹿児島大学腫瘍制御学
-
前田 光喜
鹿児島大学腫瘍制御学
-
奥村 浩
鹿児島大学消化器外科
-
前田 光喜
鹿児島大学大学院腫瘍制御学呼吸器外科
-
横枕 直哉
鹿児島大学大学院腫瘍制御学呼吸器外科
-
安楽 真樹
鹿児島大学大学院腫瘍制御学呼吸器外科
-
花園 幸一
鹿児島大学大学院腫瘍制御学呼吸器外科・消化器外科
-
愛甲 幸
鹿児島大学大学院腫瘍制御学呼吸器外科・消化器外科
-
奥村 浩
鹿児島大学大学院消化器外科
-
花園 幸一
鹿児島大学大学院腫瘍制御学・消化器外科学
-
柳 正和
鹿児島大学腫瘍制御学
-
柳 正和
鹿児島大学 医学部 第一外科
-
夏越 祥次
鹿児島大学 保健学科外科分野
-
大塚 綱志
鹿児島大学大学院呼吸器外科分野
-
前田 光喜
鹿児島大学腫瘍制御学消化器外科
-
大塚 綱志
鹿児島大学呼吸器外科
-
青木 雅也
鹿児島大学呼吸器外科
-
大塚 綱志
鹿児島大学医学部腫瘍制御学消化器外科
-
横枕 直哉
鹿児島大学大学院腫瘍制御学・消化器外科学
-
横枕 直哉
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器外科学分野
-
横枕 直哉
鹿児島大学呼吸器外科
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