シロイヌナズナにおける開花の表現型可塑性とその分子遺伝学的基盤(<特集1>表現型の可塑性 : その適応的意義の探求)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年、モデル生物の研究において表現型可塑性に関わる遺伝子群が明らかにされつつある。本稿では、まずシロイヌナズナの開花を担う遺伝子群について、長期の低温に対する可塑的応答を中心に解説する。特にFLC・FRI遺伝子が開花の早さの自然変異や地理的クラインの形成に果たしている役割についての研究を紹介する。また、エピスタシス、多面発現、倍数化といった開花調節の適応進化の研究では取り扱われてこなかった重要な現象についての研究も取り上げる。最後に、表現型可塑性の分子遺伝学的基盤が明らかになることで可能となった適応的な表現型可塑性に関する研究の方向性について議論する。
- 日本生態学会の論文
- 2007-03-31
著者
-
杉阪 次郎
京都大学生態学研究センター
-
工藤 洋
京都大学生態学研究センター
-
工藤 洋
神戸大学理学部
-
工藤 洋
京都大学生態学研究センター:神戸大学大学院理学研究科
-
工藤 洋
神戸大学理学部生物学科
-
杉阪 次郎
神戸大学大学院自然科学研究科
-
川越 哲博
神戸大学理学部
-
工藤 洋
神戸大 理
関連論文
- 琵琶湖東岸における絶滅危惧植物タチスズシロソウ大群落の出現とその保全
- 小笠原諸島父島におけるモンテンボクとオオハマボウの花サイズの変異
- 湿原における種子の水散布 : 野外集団の遺伝変異と集団遺伝学的解析を用いた研究
- 日本産ジャニンジン・タネツケバナ・ミチタネツケバナ・コタネツケバナ(アブラナ科,タネツケバナ属)に関するノート
- 帰化種ミチタネツケバナ(Cardamine hirsuta)の生活史特性
- タネツケバナの生活環制御形質に見られる集団分化
- シロイヌナズナにおける開花の表現型可塑性とその分子遺伝学的基盤(表現型の可塑性 : その適応的意義の探求)
- 植物における形質発現と表現型可塑性にみられる集団分化(第24回種生物学シンポジウム : 植物における形質発現と適応機構の進化)
- 適応的な表現型可塑性による複数ハビタット利用とハビタット選択(表現型の可塑性 : その適応的意義の探求)
- 植物集団間のジーンフローに影響する生態学的要因
- 小笠原諸島における木本性ハイビスカス属の繁殖成功度の決定要因
- 変わる外来生物 : 外来生物の進化
- 沿岸森林植生における台風後の大規模塩害
- かく乱依存種ホナガソウの発芽特性
- モンテンボクの花弁サイズと土壌の水分条件との関連
- 動的な森林更新下での林床草本の遺伝的集団構造の決定機構
- オオハマボッスの発芽フェノロジーとシードバンク形成
- 父島列島南島のオオハマボッスの個体群動態
- 植物のみかけはどう決まるか--表現型可塑性と形質変異
- 小笠原諸島父島におけるオオハマボウ(Hibiscus tiliaceus L.)自然集団分布
- 季節を測る分子メカニズム : 遺伝子機能のイン・ナチュラ研究