1920年代における学校教育に対する職業指導導入の論理 : 社会政策としての職業指導と教育政策としての職業指導
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概要
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本稿では、1920年代の教育雑誌記事の分析を通し、学校教育に対する職業指導導入の論理について考察する。まず、日本における学校教育と職業への移行との結びつきを歴史的に解明する必要性、および職業指導の導入という事象に注目する意義について論じる。次に、社会政策の面から浮上した職業指導の現実的必要性について指摘し、その背景となる1920年代の労働情勢について考察する。続いて、教育雑誌記事における社会政策関係者の職業指導言説を分析する。それらの言説が、職業指導導入に消極的な文部省に対する「宣伝」を目的とするものであったこと、またそこで示されたのが「労作教育」の思想を取り入れ拡張された職業指導概念であったことを明らかにする。さらに、訓令第20号と関連資料の分析から、文部省にとっての職業指導が進学も含めた卒業後の進路問題への対応として位置づけられたことの意味と背景について明らかにする。
- 日本教育学会の論文
- 2007-03-30
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