境界のないキャリア概念の展開と課題
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概要
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本論文の目的は,境界のないキャリア(boundaryless career)概念に関わる既存研究のレビューを通じて,キャリア研究の理論的発展の新たな方向性を提示することである。 具体的には,まず,伝統的な企業内キャリアのオルタナティブを志向する,ニュー・キャリアの議論が萌芽した背景に触れたうえで,変容するキャリアを捉える際の有益な視座として位置づけられているバウンダリーレス・キャリアという概念の具体的内容について整理する。次いで,欧米を中心に蓄積されつつある境界のないキャリア概念に基づく実証的研究のレビューに取り組み,様々な産業や役割・職種における,特定の企業の境界に囚われないキャリアの実態に関する知見を抽出する。そのうえで,関連する既存研究の限界を指摘し,社会や産業の構造あるいはコンテクストと個人の戦略的行為の双方に注目しながら,一企業の境界に囚われないキャリア形成を捉える新たな視角を提示する。
- 2007-06-07
著者
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