大学におけるセクシュアル・ハラスメントの生起過程 : 計量分析を通して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿の目的は、大学でのセクシュアル・ハラスメント問題が少しでも生じないようにするために、その生起過程を明らかにすることである。大学でセクシュアル・ハラスメントが発生する要因には、少なくとも「大学固有の要因」と、「一般的な要因」の2つが考えられる。固有の要因とは、教員と学生との間に存在する力関係を背景にセクシュアル・ハラスメントが起こる可能性があることなど、大学固有の組織構造が原因で生じることである。一般的な要因とは、セクシュアル・ハラスメントに対する個々人の認識の仕方が異なるため、セクシュアル・ハラスメントが生じるのではないか、ということである。一般的な要因については、大学院生を対象にした調査結果をもとに重回帰分析を行った。その結果、男女平等志向である者ほどセクシュアル・ハラスメントを広く認識することが示された。2つの要因の分析から、特に大学においては、少なくとも教員側が学生に対して持つ力について改めて認識し、かつ男女平等志向が高い者のセクシュアル・ハラスメント認識を受け入れることが、大学におけるセクシュアル・ハラスメントの発生を少なくする上で必要であることが提案された。
- 2003-02-14
著者
関連論文
- 優生思想の社会史序説 : 明治以降の日本社会を例に
- 大学におけるセクシュアル・ハラスメントの生起過程 : 計量分析を通して
- Japanese Women's Labor Force Participation Rates : Application of the Structural Model
- マルクス主義フェミニズムの可能性 : 階級とジェンダーとの関わりから