チーム医療とバイオフィードバック : 臨床バイオフィードバックセラピストの提言(シンポジウム こころへのはたらきかけとしてのバイオフィードバック-個人に合ったバイオフィードバックとは-)
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概要
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統合医療においては,近代西洋医学だけでなく補完・代替医療(CAM)も積極的に取り入れていくため,医師以外のCAM専門家も独立した専門職として治療や健康管理に関わることになる.医師自身も各種CAMについてのある程度の知識を持ち合わせることが望まれるが,実際には「患者中心医療」として全人的(ホリスティックな)観点から,その患者にとって最も必要なケアを提供できるCAM専門家とのチーム医療を行うことになる.そのため,チームに参加するCAM専門家は,医師や看護師などの医療従事者とのコミュニケーションができるだけの解剖生理学や病態生理学などの基本的医学知識が要求される.また,各CAMについての専門知識と技術を絶えず高め維持していくという「プロフェッショナリズム」に基づく組織運営を確立していくことが重要となる.BFの臨床応用においては,このような統合医療的チーム医療に参加できるような『臨床BFセラピスト』という専門職を確立することが鍵となる.そのためには,米国でのBF臨床応用の実際について検討していくことが有用と考えられる.米国のBF認定制度は,学会ではなく米国BF認定機構(BCIA)という独立した組織により運営されている.現在BFの種類別に一般,脳波,骨盤底筋機能不全の3種類の認定についてガイドラインが規定されている.医師以外の専門家を中心に臨床応用が行われている米国では,臨床心理士も解剖生理学などの基礎医学を履修しなれぱBF認定を受けることができない.すなわち,心理社会的ストレス要因が身体に影響を与えるということが前提の臨床精神生理学をその基本概念として,心身相関に焦点を当てた身体疾患の治療を臨床心理士が行っているのである.このように,日本における心身医療と同じ考え方で,医師以外の専門職がBFを臨床応用している米国での現状を検討し,日本に合ったBF専門家を育てていくことが今後の課題といえよう.
- 2007-04-28
著者
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