紀伊半島四万十帯白亜系湯川層の砕屑性ザクロ石による背後地解析
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概要
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紀伊半島四万十帯白亜系湯川層の砂岩中の砕屑性ザクロ石の化学組成に基づく後背地解析を行った.その結果,花崗岩質岩や低〜中度変成岩,酸性火成岩からのスペッサルティン成分に富むアルマンディンが多く含まれており,グラニュライト相の変成岩に由来するパイロープ成分に富むアルマンディンも認められた.また,石灰質変成岩を起源とするプランダイトも存在している.これらのうち花崗岩質岩や低〜中度変成岩,酸性火成岩,および石灰質変成岩起源のザクロ石は肥後帯から,グラニュライト相変成岩起源のものは東アジアに分布する先カンブリア紀の大陸基盤から供給されたと考えられる.本調査地域には,紀伊半島西部で報告されているようなエクロジャイトや高圧型変成岩起源のザクロ石は含まれず,地域的な相違が明らかとなった.
- 2007-04-15
著者
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竹内 誠
Division Of Earth And Environmental Sciences Graduate School Of Environmental Studies Nagoya Univers
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常盤 哲也
Division Of Earth And Environmental Sciences Graduate School Of Environmental Studies Nagoya Univers
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Win Kyaw
Division Of Earth And Environmental Sciences Graduate School Of Environmental Studies Nagoya Univers
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岩切 清一郎
Chodai Co., Ltd.
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岩切 誠一郎
Chodai Co. Ltd.
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