上行性テント切痕ヘルニアをきたした椎骨動脈解離性動脈瘤破裂の2症例
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概要
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優位側椎骨動脈解離性動脈瘤破裂による重症クモ膜下出血2症例を報告する.発症時呼吸停止状態,両症例とも罹患側が優位椎骨動脈で,急性水頭症を合併していた.血管撮影中に再破裂をきたしたため,血管内手術による罹患部をコイルでtrappingし,直後に脳室ドレナージを行った.非優位側の椎骨動脈から脳底動脈などが良好に造影されたにもかかわらず,両症例とも術後広範な小脳,脳幹梗塞をきたし,上行性テント切痕ヘルニアをきたして死亡した.重症例では,PICAや優位側椎骨動脈の閉塞後の脳梗塞は予測困難である.また,後頭蓋窩クモ膜下出血例での脳室ドレナージには慎重な管理が必要である.
- 2007-05-20
著者
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原 淑恵
兵庫県災害医療センター
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太田 耕平
兵庫県災害医療センター:神戸赤十字病院 脳神経外科
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細田 弘吉
兵庫県災害医療センター
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細田 弘吉
兵庫県災害医療センター:神戸赤十字病院 脳神経外科:神戸大学大学院医学系研究科 脳神経外科学分野
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原 淑恵
兵庫県災害医療センター:神戸赤十字病院脳神経外科
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