パチンコホール業界の現代的課題と対策(I)
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概要
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28兆円近くの市場規模を誇るパチンコ業界は、今や日本を代表する巨大産業のひとつである。しかしその成長・発展の産業史は、法的規制や偏見を含めた数々の課題を抱え込みながら、時にそれらを克服し、時に妥協点を見出しながら形成されてきた歴史でもある。そしてそれらの課題のなかには、今なお未解決のまま残されているものが少なくない。パチンコ業界全体が「業界の健全化」をいっそう推進し、業界改革を実現するためには、個別ホール企業による経営改革のほかに、業界全体が長年にわたって抱え続けてきた諸問題に真正面から取組んで解決して聞く積極的姿勢が必要とされるのである。筆者は、特に1980年代以降のパチンコホール業界における経営改革に関する研究を進めているが、本稿はこの研究を補足する役割をもつ。つまり、ホール業界が経営改革を実現させていくうえで解決すべき従来からの課題を取り上げてその問題点と対策法を、本号と次号の2回に分けて論じていきたいと考えている。ただし業界が抱える課題は多岐にわたるので、本稿では「経理の不透明性に関する課題」「換金システムに関する課題」「パチンコ依存症に関する課題」「ゴト師と不正機器に関する課題」「競合の激化に関する課題」「『パチンコ』という言葉自体に関する課題」の6点に絞って分析を進める。
- 同志社大学の論文