Zen 49・初期ドクメンタに参加した現代芸術家Th・ヴェルナーとその芸術観について : ナチズム崩壊後のドイツ芸術大学第一世代教授層の芸術観についての一考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
先に発表者は,初期カッセル・ドクメンタや<Zen 49>をモティーフに,戦後ドイツにおける芸術学校改革の造形芸術観や芸術教育学の主要なエネルギー供給源が,1920年代の同時代芸術の洗礼を受けた年長世代や,内的亡命に耐えてきた若者世代達の表現活動にあったことを考察した。本論文では,ナチズム崩壊直後にベルリン芸術大学の教授となる現代芸術家テオドール・ヴェルナーをモティーフに,戦後第一世代教授層の芸術観の輪郭について考察する。造形表現観であり芸術教育観でもある「芸術家の芸術観」は,1920年代に苗床が用意された後,50年代に戦後芸術大学第一世代教授層によって受容された。彼等は,造形表現の中でも,戦後芸術学校改革の展開の中でも,戦後の無の時間を超えようとし,若い世代に現代的な造形表現観を伝え,<自らの表現を組み立てる必要性>を発見させようとしていた。
- 2007-03-31
著者
関連論文
- 1940-50年代シカゴにおける芸術学校改革とバウハウス教育学の影響について
- アートと人間 : 芸術的センスは次世代の人間を豊かにするか
- Zen 49・初期ドクメンタに参加した現代芸術家Th・ヴェルナーとその芸術観について : ナチズム崩壊後のドイツ芸術大学第一世代教授層の芸術観についての一考察
- ライナー・ヴィーク著『バウハウス教育学』とバウハウス再評価についての一考察 : 改革芸術学校バウハウスとその造形芸術上の遺産を手掛かりとして
- 戦後ドイツにおけるバウハウス第二世代と初期ドクメンタへのその貢献についての一考察 : 歴史的現象《バウハウス第二世代一アンフォルメルの作家集団Zen49-ドクメンタ》を手掛りとして
- アーノルト・ボーデとカッセル・ドクメンタへのその刺激について : 《バウハウス第二世代》と初期ドクメンタとの相互関係を手掛かりとして
- 戦後ドイツにおけるアンフォルメルの芸術と芸術教育学との接点について : 芸術教育学者R・プフェニッヒの場合に即して
- 研究ノート : R.プフェニッツヒの芸術教育学的視点の形成過程について(1) : 初期著作『現代の造形芸術 分析と方法』(1955)に依拠して
- ドイツにおけるバウハウス解釈の枠組み転換について : 研究ノート(一(2)) 図版編 理念的バウハウスから現実像としてのバウハウスへ
- ドイツにおけるバウハウス解釈の枠組み転換について : 研究ノート(一) 理念的バウハウスから現実像としてのバウハウスへ
- ドイツにおける芸術学校の芸術教育学とその遺産について(一) : バウハウスにおけるカンディスキーの授業とその芸術教育観を手掛かりに
- ハンブルクにおける新教育運動の光と陰 : 『教育観の革新』と『リーダー的教師の「苦悩」』との接点に位置する教育改革運動
- ドイツにおける芸術教育学の成立過程についての一考察 : G・オットーによる芸術教育学の模索とA・エールハントの芸術教育構想(1932)について
- ドイツにおける芸術教育構想「芸術の授業」と教授学の受容 (2) : G・オットーによるW・クラフキの教授学的視点の受容をめぐって
- 1960年代前半ドイツにおけるG・オットーの芸術教育構想と教授学の受容について : P・ハイマンの教授学的視点の受容をめぐって
- 芸術教科の教授学確立のための西ドイツにおける最近の論議
- 内的亡命に耐えたドイツ人モダニズム芸術家 : W・バウマイスターに見る芸術教育と芸術教育観について