氷天体物質の流動物性(<特集>氷物性と新しい物質科学)
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概要
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氷天体の進化過程や内部構造,内部ダイナミクスを理解する上で,その構成物質の塑性流動特性を知ることは非常に重要である.低温ガス圧変形装置の活躍により,ハイドレートも含めた主な氷天体物質に開して,高応力下で卓越する転位クリープの流動則はほぼ揃いつつある.最近,より低応力下で働く結品位径依存クリープが氷Ih相および氷II相において発見され,以前に考えられていたよりも氷天体内部が流動しやすいことが明らかになってきた.今後は,拡散クリープも含めた低応力下で卓越してくる流動機構を中心に研究を行い,氷天体内部の粘性構造を定量的に理解していくことが望まれる.そのためには,塑性変形実験に加えて,原子拡散や結品位径進化に関する系統的な研究が必要である.
- 日本惑星科学会の論文
- 2007-03-25
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