動詞のテ形を伴う節の統語構造について : 付加構造と等位構造との対立を中心に
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概要
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本稿で考察対象にするのは付帯状況,継起,原因・理由,並列を表す動詞のテ形節である。これらのテ形節を統語的に考察し,次の2点を主張する。(1)「しか-ない」テスト,「さえ」焦点化テスト,擬似分裂文テストから,付帯状況を表すテ形節はVPで付加構造をとり,継起,原因・理由,並列を表すテ形節はTPで等位構造をとることを主張する。(2)統語構造に対応してテという形態が二分できることを示す。付加構造を形成するテはアスペクトマーカーとして機能し,等位構造を形成するテは接続形式として機能することを主張する。テ形節の統語構造を提示することは,テ形節の形態的制約に説明を与えることにつながる。本稿はテ形節の形態と統語構造との相関を捉えるためのモデル提示である。
- 日本語学会の論文
- 2006-01-01