The Japanese Immigration
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概要
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本論文はアメリカ合衆国への日本人海外移住の文献学的研究である。明治初頭より排日移民法制定までの半世紀間あまり(1868-1924)を移住史の中核として区分し、その中での国際移動の文化起源、海外移住による文化摩擦、日米間の行政対応、移住者の行動様式に焦点をあてる。文献批評の中心を本格的移住禁止後の1930年代前後の日本語および英語の出版物におき、実際の時代の経過や推移に従って分析を構成してみた。日英両言語、日米両文化から来る認識のずれはもとより、意識・行動が具体的な歴史的文脈の中での緊張関係に終始したのが日本人移民史の特色である。本論文で扱った日本語による古典的三部大作とも言える『邦人海外発展史』、『在米日本人史』、『日米大鑑』は、日本人移民史に対して進歩思想を前提とした発展史的な視点で著したものである。これらとほぼ同時代に出版された英語小冊子の各種モノグラフは問題解決を示唆しているが、このこと自体が移民そのものを初めから社会問題とした前提が組み込まれてしまっている事を表している。さらに移民史の広がりのため若干の戦後の出版物も本文中の分析に含めてある。なお、英文の本文および註にある原典からの直接、あるいは文脈上の表現Jap,Mongolian,Oriental,Negroは[sic]と付記したものとする。
- 2003-03-12
著者
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