高齢者福祉施設介護職員のバーンアウト因果モデルに関する実証的研究 : 多母集団の同時分析を用いたモデル構造の男女差の検討
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概要
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近年,高齢者福祉施設では介護職員のバーンアウトが問題視されており,現場ではバーンアウトを防ぐための適切な人的資源管理が緊要の課題とされている.本論文では,職務意識の男女差に着目し,仮説1でバーンアウト因果モデルを理論的に構築し,共分散構造分析によって検証した.バーンアウト因果モデルの構築の際には,Maslach and Jackson (1981)のMBIモデルを基礎とし,バーンアウト規定要因には,職場内サポートとキャリア意識,教育年数等に焦点をあてた.仮説2では男性と女性ではバーンアウトのモデル構造に相違点があると仮定し,同モデルを用いて検証した.結果,仮説1,2はほぼ支持される結果となった.仮説検証の作業を通じて,男性にはキャリア意識が,女性には上司サポートがバーンアウトの低減に有効であることが明らかにされ,男性と女性ではバーンアウトを防止するために異なる対策が効果的という可能性が示唆された.
- 2007-02-28
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