「障害との共存」の過程とその転換点 : 精神障害を抱える人のライフストーリーからみえてくるもの
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概要
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本稿は,人生の途上で精神障害を抱えることになった人が,どのように障害と関わり,自分自身を受けとめてきたか,その過程を「障害との共存」という視点から考察したものである.青年期に精神障害にかかり,回復し,現在就労中のケースに,ライフストーリー・インタビューと,半構造的な枠組みでの質問を行った.そこから得られた語りを,「変容の過程」「転換点」「(それらを)支える要因」に着目し,分析した.その結果,以下の3点が考察された.まず,「障害との共存」は,"あきらめ""希望的あきらめ"(あきらめのなかでの新たな未来への信頼)"希望"を含んだ変容の過程であった.さらに,その過程においての転換点は,その人の「世界の変容」や「価値の変容」をもたらすものであった.その過程と転換点を支える要因は,"居場所""就労"(社会とのつながり)"希望"(信頼できる他者の存在とその人からもたらされる希望となる言葉)であった.
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2007-02-28
著者
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