口腔粘膜疾患の免疫学的研究 : 患者血清の免疫電気泳動像について

概要

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不全型のBchcet症候群(男3名,女3名),再発性アフタ(男4名,女2名),単純性アフタ(男1名,女2名),多形滲出性紅斑(男1名,女3名)の血清蛋白分画を,セルローズアセテート膜による電気泳動によって定量し,又寒天ゲル平板上で免疫電気泳動を行なって,各分画を更に詳細に分けてその増減を調べた。Behcet症候群では,γ-globulinとα_2-globulinが増加し,再発性アフタと多形滲出性紅斑でもγ-globulinが有意に増加していた。免疫電気泳動によるとhaptoglobin(6名中4名),ceruloplasmin(5名),transferrin(4名),β_<1c>-globulin(3名),IgA(6名)及びIgG(5名)の沈降線がBehcet症候群において増大していた。再発性アフタでも同じ傾向がみられた。多形滲出性紅斑でも,ceruloplasmin, β_<1c>-globulin,IgA及びIgGが増加していた。この様な変化はこれらの疾患の原因に免疫現象が関与していることを思わせる。この稿を終るにあたり,終始ご指導,ご校閲いただきました斎藤泰一教授に心から深甚の謝意を表します。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
1970-09-30