定常過程と平均変動型非定常過程間の変化点の最小二乗推定量
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概要
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本論文では、定常過程から平均が変動する非定常過程へ変化する時点を推定する問題を考えた。このような現象は、脳科学や地震学の対象などにみられる。脳科学における例をあげると、感覚刺激を与えてから大脳に達する情報伝達速度を推定する際に用いられる脳磁図データは、事象関連電位発生前は定常過程、発生後は平均が変動する非定常過程としてモデル化できる。この例においては変化点の推定が第一義的であり、一種の変化点問題である。変化点問題は種々のモデルについて研究がなされているが、このような問題はあまり研究されていない。本研究では、上述の確率過程モデルを二相回帰の枠組みで扱い、モデルのパラメータを最小二乗法で推定することを考えた。ここで推定するパラメータは、定常過程から非定常過程への変化点、平均値関数の回帰係数、定常成分の自己共分散関数である。変化点前の平均は既知と仮定した。また変化点後の平均値関数は、有界で関数形が既知とし、パラメータに関して線形であると仮定した。さらに定常成分は変化点前後で共分散構造が変化することを許した。パラメータの最小二乗推定量の漸近的性質について調べ、一致性をもつことを示した。
- 2001-03-10
著者
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