死因が一部不明の競合リスクデータにおけるCox回帰モデルの回帰係数に関する二段階推定量の分散
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概要
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Cox回帰モデルは,生存時間分布に及ぼすリスクファクターの効果を評価するために,広く用いられている統計手法である.複数の死因を同時に考慮する競合リスクにおいても,リスクファクターの評価にCox回帰モデルが利用される.実際にはデータの一部で死因が不明となることがあり,死因不明の個体は打切りとして扱われてきた.Hemmi(1995)は,このような不完全データの場合,Cox回帰モデルの回帰係数を精度よく推定するために,死因不明の個体における死因の確率を考慮した二段階推定量を提案した.二段階推定量の一致性および平均二乗誤差が小さいことを示したが,分散は理論的に得られていない.本論文では,二段階推定量の分散をジャックナイフ法により推定することを提案し,ジャックナイフ推定量の統計的性質をモンテカルロ・シミュレーションにより検討した.分散のジャックナイフ推定量は正の偏りをもつが,標本が大きくなると偏りは小さくなることから,ジャックナイフ法の有用性が示された.
- 日本赤十字看護大学の論文
- 2003-03-10
著者
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