草津温泉の冬住みに関する一考察
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概要
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本白根山山麓の標高1200メートルに湧出する草津温泉は,「万病に吉」として昔から多くの湯治客でにぎわい,今日では年間300万人の観光客が訪れる群馬県を代表する観光地となっている。湯治場温泉として古くから栄えた草津温泉には,明治30年まで「冬住み」と呼ばれる,季節による居住場所の移動を伴う生活形態が残されていた。人間の生活空間としては適さない草津に,温泉を中心として集落立地がみられ,自然的条件や社会的環境を克服しながら,生活の営みが行れてきた。草津を中心に冬住み集落の地域的な広がりや,生活形態を明らかにするとともに,冬住み制度が衰退した歴史的背景の検討を試みた。
- 2006-03-31