学習者参加型日本語学習における口頭発表スキルの習得過程
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概要
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大学での日本語教育目標の一つにアカデミック・スキルの習得がある。これらのスキルを学習者自身の力で習得していくためには学習者参加型学習が有効であると考え,2004年10月〜2005年7月に,「プロジェクトワーク」と「日本語総合演習」という授業実践を行った。その授業の中で4回行われた口頭発表に焦点を当て,それらを評価した他の学習者のコメントを見ていった。その結果,学習者同士が互いに刺激し合い,協働的に口頭発表能力・スキルを習得していったことがわかった。また,初めは視覚・聴覚情報に目が向けられがちで,この善し悪しがコメントを左右するが,次第に言語情報にも目が向けられるようになり,十分な言語情報を与えられたか否かがコメントを左右することもわかった。このことから,聞き手の熟達度が話し手の熟達度を高めていき,それが口頭発表能力・スキルの習得に貢献をするという結論を得た。
- 2006-03-31