韓国語における同時発話について : 社会言語学的観点から
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概要
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韓国語会話における同時発話を,「順応型同時発話」,「協調型同時発話」,「主導型同時発話」に分類し,さらに会話参加者を目上友人,同年友人,他人,知人,身内のグループに分け,それぞれのグループに現れた同時発話の様相について考察した。その結果,韓国語母語話者は,年齢や親族体系上の序列による上下関係を重んじる傾向にあることがわかった。上下関係は,会話参加者の心的態度にマイナスに影響し,同時発話は,その心的態度をポジティブに変えていくストラテジーとして働く。同時発話と会話内容の関係では,情報共有の場合,旧情報からの連想・関連話題への展開の場合に同時発話の発生率が高い傾向にあった。つまり,同時発話は円滑な会話を促進し,話者の友好的な感情を呼び起すストラテジーであり,話者交代の際に生じうる不快感や戸惑いなどを和らげるディスコース・マーカーでもある。
- 桜花学園大学の論文
- 2006-03-31