王羲之の権威化と史料集
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概要
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王羲之の権威化は、正史の歴史書だけでなく、正史の情報を補欠する形をもって成立する史料集によっても行われている。この史料集は、実時間で記録された情報でなく唐代後期から宋代にかけて整えられ、文・僧官に対して文字や書人のきまりを広告する役目を果たした。書人によって重用されているが、その影響は三教に及ぶ。これは、王羲之の権威化が文・僧官の書法という手段をもって政治や宗教にまで波及したことを意味する。このような思惑が宗教思想史や文献誌に影響を与えていたことについて、再検討を必要としよう。
- 2003-03-31