乳酸菌による魚肉速成漬の開発
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
選出乳酸菌株を使用することにより、誰にでも食べやすく現代人の味覚に適合したサバ醗酵食品を、短時間かつ安全に製造する新調製法について検討し次の結果を得た。1)米飯1kgに村し10%の乳酸菌培養を添加混合したA床を対照とし、対照に1%の米麹添加したB床、また対照に2%の米麹添加したC床に漬けこんだサバはともに漬け込み直後からpHは低下し、酸度も急速に増加した。つまり有害菌の抑制に充分な酸生成が認められた。2)生成主要な有機酸は乳酸と酢酸であった。しかし生成香気成分の組成は複雑で、米麹の少量添加によって短時間に良好な醗酵臭が生成されることが明らかとなった。3)米飯に対し10%の乳酸菌、2%の米麹添加のC床で96時間漬け込みのサバ速成漬が酸味、香味ともに最高となり、味については5%の危険率で有意に嗜好された。以上の結果から、家庭においても、短時間で安全かつ簡易に、とくにオメガ3系脂質の摂取を必要とする若年者にも好まれる"青魚の浅漬"といえる"サバ速成漬"を製造することができた。本研究をまとめるにあたり、フナずしの試料を、ご提供賜り種々ご助言頂きました滋賀県余呉町、民宿みずうみ桐畑智訓氏、並びに中村いさを氏に謝意を表します。
- 精華女子短期大学の論文
- 2006-03-31