10.双子の一児を亡くした母親の経験 : 流産後2年経過した1事例から
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概要
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双子の一児を流産した1事例の母親の経験を記述的に明らかにすることを目的とし、研究協力者であるCさんに半構成的な面接を行った。Cさんは妊娠20週にA児を流産、31週にB児を出産した。結果として、Cさんは、〔亡くなったA児への悲しみ〕と〔生きているB児への不安〕という【生と死の同時体験】という特殊な状況を経験していた。しかし、〔健診ではB児のみの話〕だったり、〔もう一人いるからいいじゃない〕と常に【生きているB児だけに注目】が集まり、A児を亡くしたCさんの悲しみは押し込められた。また〔周りに言っちゃいけない〕と固く思い込み、〔A児の母子手帳はたんすの奥〕にしまい、【なかったこと】にしようと振舞った。出産後は育児に追われ、【一時的なA児の忘却】はあったが、自助グループに参加してからは、〔A児のことを語ってもいい〕ことを知り、【仲間との悲嘆作業】で安定していった。それは〔A児とB児の双子関係の再開・存続〕にもつながった。看護として、これらの特殊性を十分に理解してケアにあたることが重要である。
著者
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