Mモード付加超音波断層法による胎児左心機能に関する研究
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概要
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妊娠経過に伴い変化する胎児心臓の構造の同定や機能の定量化は,胎児循環動態の解析に必要不可欠なことであり,先天性心疾患を中心とする胎児心異常の出生前診断を可能にする。われわれはMモード付加超音波断層装置を用いて,妊娠20週から42週までの正常妊婦147名,および分娩直前の妊娠34週から42週までの妊婦96名を対象に,児頭大横径,胎児心臓横径,左室一回心拍出量,左室分時心拍出量を計測し,それぞれの計測値と妊娠週数および生下時体重との関係について検討し以下の成績を得た。1)妊娠週数(x)と各計測値(y)との関係児頭大横径:ymm=2.0x+14.0(r=0.93)胎児心臓横径:ymm=0.89x+8.47(r=0.87)一回心拍出量:ymm^3=103.18x-1923.0(r=0.94)分時心拍出量:ycm^3=14.59x-279.9(r=0.94)それぞれほぼ直線的に増加し,妊娠週数と良く相関し,心臓計測は胎児発育の良い指標になることが示唆された。2)生下時体重(y)gと各計測値(x)との関係児頭大横径:y=73.53xmm-3649.39(r=0.67)胎児心臓横径:y=160.25xmm-3586.73(r=0.80)一回心拍出量:y=1.26xmm^3+434.20(r=0.88)分時心拍出量:y=8.33xcm^3+595.33 (r=0.85)一回心拍出量が最も良い相関を示した。この式より児体重推定を行なったところ,平均誤差は208±166gと良好な結果を示し,一回心拍出量の算出は児体重推定に有用であることが示唆された。
- 1990-06-01
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