高齢者の上肢動作とブラウスの袖との関係
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概要
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【目的】被服の着脱動作のしやすさは、衣服の「ゆとり」が大きな要素になるが、筆者らは「袖」の形も何らかの影響があると考えた。袖のデザインにより、腕の上げ下げが窮屈であったり、楽であったりする。着脱動作においてストレスの少ない袖を抽出するために、袖が異なるブラウスの着用実験を実施し、上肢動作によるブラウスの裾の変化を検討した。【方法】被験者は65歳以上の高齢者11名を対象に着用実験を実施する。着用したブラウスは、「ゆとり」と「袖下の長さ」を一定にし、「普通袖、シャツ袖、ラグラン袖、ドルマン袖」の4種類と「袖と脇側にしわプリーツ」が入る2種類、計6種類の木綿のブラウスである。着脱動作、上肢動作をビデオ撮影し、その後2次元のActim 2D d-Sにより動作解析を行った。実験期間は2005年2月下旬より3月上旬である。【結果】普通袖、普通袖プリーツ、ラグラン袖、シャツ袖、ドルマン袖、ドルマン袖プリーツの順に着用し、上肢運動を行った。上肢動作に対応してブラウスの裾線が上がることを着崩れと考え、上腕180度時の裾線を静止状態からの差で求めた。結果、腕付けに縫い目がある袖、身頃続きの袖、しわプリーツの入ったブラウスでは、それぞれ上がり寸法が異なり、裾の上がり寸法の多い順に普通袖>シャツ袖>ラグラン袖>ドルマン袖>普通袖プリーツ>ドルマンプリーツ袖であることが判明した。
- 北翔大学の論文
- 2006-03-20
著者
-
辻 美恵子
浅井学園大学短期大学部
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富田 玲子
浅井学園大学短期大学部
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永田 志津子
札幌国際大学短期大学部
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福山 和子
北星学園大学短期大学部
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北村 悦子
浅井学園大学短期大学部
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泉山 幸代
浅井学園大学短期大学部
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