血漿レニン活性より分類した本態性高血圧症の血行動態的特徴
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概要
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中壮年本態性高血圧症をfurosemide立位試験により高,正,および低レニン群に分類し,安静時血行動態,循環血液量,および運動と薬物負荷に対する血行動態的反応性を調べ,その臨床的意義につき検討した。運動負荷は,定量負荷型臥位自転車エルゴメーターを用い1.25w/kgを6分間行ない,薬物負荷は,noradrenaline 0.1μg/kg/minを3分間,isoproterenol 0.02μg/kg/minを5分間点滴静注した。負荷前,中,後に,血圧,心拍数,心拍出量,左室収縮期時相分析値(STI),および血漿レニン活性(PRA)を測定した。安静時血行動態は,高,正,および低レニン群で差異を認めなかったが,循環血液量は,高レニン群で2655±82ml/m^2と最も少なく,低レニン群の2943±105ml/m^2に比し有意に小であった(p<0.05)。運動負荷に対する反応を見ると,高レニン群で平均血圧172.1±6.3mmHg,心拍数146.4±4.1/min,心拍出量13.90±0.721/min,駆血期ET/前駆血期PEP4.81±0.26となり,正および低レニン群に比し有意に大であった(p<0.05)。またPRAの増加も大であった。noradrenalineによる血圧増加は,健常群に比し高血圧群で有意に大であったが(p<0.05),高,正,および低レニン群間に差異を認めなかった。次にisoproterenolに対する反応を見ると,高レニン群で心拍数,心拍出量,ET/PEPの増加率が有意に大であった(p<0.05)。以上より,高レニン性の中壮年本態性高血圧症において,交感神経系の関与の大きいことが示唆された。このことは,降圧療法の薬剤選択および生活指導において重要なことであるといえる。
- 千葉大学の論文
- 1984-02-01
著者
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