スキー大会におけるスラローム競技時の心拍数の分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
"あがり"の研究の中でこれまでに、心拍数を緊張場面での心理的要因である不安・態度・自覚的徴候などの客観的な指標として捉えてきた。その結果、あがりに対する気がかり、状態不安、自覚的徴候などの程度が強い者は、心拍数が高い傾向にあったことから心拍数を緊張時での心理的要因の尺度となるのではないかと考えてきた。しかし、この心拍数と心理的要因との対応関係は必ずしも一致していないというのが現状である。この心拍数について、山地(1981)は、「試合直前ではウォーミングアップと精神的興奮の二つの要素によって心拍数は高められ」、そして、試合前の「適度な興奮とは心拍数120拍/分〜130拍/分に相当する」と指摘している。また、小林(1983)は、最大運動の前の心拍数は100拍/分〜110拍/分で良いパフォーマンスが得られたと指摘しており、試合や運動前の心拍数に至適レベルが存在することを示唆している。これらの先行研究を踏まえ、サマースキー大会におけるスラローム競技時の1回目と2回目の心拍数について、主に選手の技術水準からみた上位選手と下位選手について比較分析を試みた。
- 2000-03-05