蒋百里「日本人-一外国人の研究」 : 『日中問題重要関係資料集』第一巻,主要日本論編の一,龍渓書舎,1972年所収(翻訳-史料紹介)
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概要
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ここに日本語に訳出して解説を添えたのは,蒋百里著『日本人-一外国人の研究』である.蒋百里(1882-1938年)は日本とドイツに留学して軍事学を学んだ軍人である.軍隊を指揮することはなく,著作活動に熱心で,文人肌だった.『国防論』を著したので,一般には軍事理論家として知られている.原文は1938年の夏に『大公報』漢口版に連載された.あまりにも好評を博したため,冊子化されることになった.全12章に,「序言」と「本書成立の物語」という構成である.合計で10余万冊が売れたという.各章では,日本の地理的特徴,歴史(特に明治以降),政治,経済,外交,風俗習慣,精神的弱点と現状分析を描き出している.文章に無駄はなく簡潔であり,豊富な資料と解析能力があってこそ可能な描写がなされている.一読していただければ,おわかりになるであろう.蒋百里が執筆に至った動機などは解説に記しておいた.
- 2006-03-20
著者
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